電子新聞という言葉

マイクロソフト畠山です。

"電子新聞"という言葉。皆さん何をご想像されますか?どういったものをイメージするのでしょう?
とある会話で「はっ」と気づきました。「新聞」紙面が「電子」的に動いていれば、それが「電子新聞」ということも十分成立するわけです。

これって、個人的には必要なものではありません。
様々なPDFベースの新聞媒体を見てきましたが、ハイライト付きの検索ができても、とても読もうとは思いませんでした。NewsPaper Direct社のものもそうですね。面白みが無いのです。
ここから2つの事を考えました。

1. 形式知と暗黙知
"言葉"とは実に不思議なもので、その奥で個々人が意図しているものが異なる場合があります。それは、暗黙的な部分です。電子新聞と一言でいってしまうと、30分くらい、お互いの会話にずれを感じる部分があります。それは、世代間のずれなどという感傷的な言葉で表わされるのでは無くて、現実的にはこの暗黙的な部分が異なるのです。
それを形式化、つまり明示化することで、会話は先に進みます。この場合、"電子新聞"という言葉に対して、話をしている両者がイメージしつつある具体的なもの。これが異なるのです。
"言葉"の怖さですね。注意したいと思います。

2. 新しいものでの成功力学
新しいことをやるために、リスクを負わないなんてありえません。そんなうまい話は転がっていないですし、転がっていれば誰でもやっています。ですけど、リスクを低くすることはできます。
私はコンピュータを本格的に学んだのは、SEとして就職してからでしたので、過去のコンピュータの世界を知りませんでした。ですが、温故知新ではありませんが、過去を紐解くと、実に面白い。新しい技術が、新しいビジネスを切り開く瞬間を見ることができました。
パソコン創世記」という書籍があります。ここでは、コンピュータが、パーソナルになっていく過程を語ってくれます。ここで言えるのは、パーソナルとしてコンピュータが成功するために、TK80という機械は全ての要素をもっていたわけでは決してなく、ただし必要だった要素をもっていた、ということです。値段、カスタマイズ性がそうだと思います。
携帯電話もそうです。私はまだ広くこの歴史について調べ終わっていませんが、昔からあった無線機などと、何が違うか?という議論をしていたら、今の携帯の広がりはなかったでしょう。個人的には、インターネットに接続させたこと。に尽きると思っています。中でもe-mailが圧倒的意味を成します。コミュニケーションツールとして必須のものになりましたね。携帯なかったら電話すればいいですよねぇ、というのは間違っています。メールが大事なんですから。

こうして見てくると、"電子新聞"という名称が良くないのかもしれません。Microsoftでは、"NewsReader"という名称を使っています。これもまだまだ抽象的なものですが、しかも英語。今具体的なものが無い時点では、"電子新聞"よりは良いのかなぁと思っています。新聞社が、マスメディア以外の通信チャネルをもてるのですから。
その中で、具体的に何をするのか?そのヒントは歴史にあるかもしれません。これまで出てきた新技術というのは、既存の成功しているビジネスでの気軸の技術から外れたものは無いと思います。とすれば、今は、インターネットという通信網と、携帯電話/パソコンという端末。これを生かさない手は無いでしょう。
携帯はおもに若い世代。パソコンは、特に団塊の世代。という風に定義づけるのは、今の「個」の時代を反映していないと思います。が、一般的にはそう言われています。となると、これらの上で、"電子新聞"たる必要要件を満たすものをはじめて、軌道修正できる体制をとって、投資していくことが必要でしょう。

こうした議論もありました。「インターネットでただで新聞出して、紙の新聞と食い合うでしょう?」それも一理。ただし、ビデオが普及したときに、ハリウッドが大反対しましたよね?今は、どうですか?それを逆手に取ったビジネスモデルである、マルチウィウンドウ戦略を実施しています(これも現在が形が変わっていますが)。
新しい技術で自分たちが何か展開できるものがあるのであれば、まず踏み出してみるべきだと思います。そして、戦略的に取り組むべきでしょう。戦略とは何か?それは、必要要件の試行に尽きると思います。誰も答えはもっていないのですから。
私は紙の新聞は減少するかもしれませんが、新聞社の大きなビジネスとして無くならないのでは?と思っています。なぜなら、私自身が、夜、じっくり自宅で新聞という「記事」を自分のペースで読んでいるからです。必要なのです。
インターネットが全てにとって代わるとは思えません。
何が"電子新聞"といわれるものに必要なのか?一緒に考えてみませんか?

2007年9月24日
マイクロソフト株式会社
畠山 大有

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